許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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助詞

今日から仕事始め

例年1月4日には「仕事始め」に関連するニュースが放送されます。そのなかの近年おきまりの表現に「今日から仕事始めという方も多いのではないでしょうか」があります。 ただ、格助詞「から」は、「〈前略〉2 (時を示す語について)以後。以来〈後略〉」(広…

人は、人から育てられる

先日、民進党の岡田克也代表が、自身についての蓮舫代表代行の「ほんとうにつまらない男」との発言を受け「妻にいわれればショックを受けるでしょうが」蓮舫氏の冗談だから気にしない旨を語りました。 この会見を扱った記事やニュースの見出しの大半は、妻「…

オバマ大統領への謝罪を求める

先日のNHKのニュース「日本被団協 米大統領に原爆投下への謝罪も求める」中に「オバマ大統領への謝罪を求める」との表現がありました。 ニュースの内容はタイトルのとおり、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が広島を訪問するオバマ米国大統領に原爆…

を/に注視/注目する

「注視」は「視力を集中して見つめること。注目」(広辞苑第二版補訂版)。 「注目」は「一 目をそそぐこと。みつめること。また、注意を向けること。関心を寄せること〈後略〉」(同)。 どちらも「みつめる」という意味をもち、文脈によっては置き換えが可…

元ロッテエースに告訴

「『てにをは』までこまかく指摘されていやになる」などと聞くにつけ、助詞を軽視する人が多いことが気になります。助詞の正しい使い分けは日本語を話す/書く際に重要だからです。 先日ある雑誌に「元ロッテエースに告訴」という見出しがありました。記事を…

状況を鑑み

日本語は、一つの助詞によって文の意味が変わり得る言語です。この「日本語は」の「は」をべつの助詞に替えてみればわかります。「が」、「も」、「こそ」……。文意の伝わる文章を書く際に助詞の使い分けは重要です。 しかし、文章は複数の文、段落で構成され…

ぼくはあなごではなくうなぎだ

料理店で連れがあなごを注文したあとに「ぼくはあなごではなくうなぎだ」と店員に伝えたとします。この「ではなく」は、格助詞「で」+係助詞「は」+形容詞「ない」連用形です。 このうち「は」は強調の係助詞で、「あなごでない」ことを強調しています。あ…

どれだけ削減できるかどうかが課題です

助詞「か」には、疑問・反語・感動などを表す終助詞と、選択・不確かなどを表す係助詞(または副助詞)があります。 「どれだけ削減できるかが課題です」という文は、「(どれだけ・削減できるか)が課題です」と意味の上から分解すると、「か」は疑問であっ…

相談は社員が対応します

「社員が相談に対応します」という文では、主語は「社員が」、述語は「対応します」、修飾語が「相談に」です。 さて、修飾語に強調の係助詞「は」が付き、さらに前置された場合に、「相談は社員が対応します」と格助詞「に」が省かれることが通用となってい…

通行人を切りつける

「男が通行人を切りつけました」。 TVニュースでも新聞や雑誌でも、「切りつける」の助詞は「を」が優勢になったようです。 たしかに、「を」も「に」も動作の目的を示す格助詞ですし、「侍が狼藉者( )斬る」であれば「を」を使うところです。しかし、「切…