許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

番外篇

alternative facts(オルタナティブファクト)

コンウェイ米国大統領顧問がTV番組で「alternative facts」といったときには驚きました。放送通訳が「代替の事実」と訳したんだったかな? BS1の再放送で英語字幕を凝視して原語を確認し、しばし沈思黙考。 多様な価値観や考え方をうけいれることは、現代民…

地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子(ネタバレ)

昨秋日本テレビ系列で放送していたドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」を校正者が観た感想、です。 ! ドラマならびに原作『校閲ガール』シリーズのネタバレを含みますのでご注意ください。 ! ドラマのあらすじ。 ファッション誌ラッシィ(とカナ…

価格破壊

介護離職した友人が、すきま時間に仕事ができればとクラウドソーシングのライター募集要項を見てみたのですが、あまりにも安い報酬(1文字1円だったかな)に応募はやめたそうです。 ふと、とある記事提供業者の記事をおもいだしました。 「光の色は波長の長…

コピー&ペースト

この1年(1月から12月まで)巷間の話題に上ってきた「STAP細胞」は、「なかった」との結論に至ったようですね。じっくりおっかけてたわけではまったくなくてTVニュース等で見聞きした程度ながら、理研がもちあげネイチャーが認めた研究が捏造と判定されたこ…

もしも調査報道が消えたなら

先月、朝日新聞社社長がふたつの誤報について謝罪文を発表。もちろん誤報自体イカン(重大問題についての記事だっただけになおさら)のですが、それとは別に、「あ〜あやっちゃったよ……」と嘆息しましたことよ。 長年誤りを指摘されてきた「朝日新聞の」記事…

職責

週ベ9.2号「岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN」冒頭。 「先週号で『銚子商高が真紅の大旗を初めて千葉にもたらした』と書いたら『野球専門誌の記者がこんな間違いを書くとは。猛省せよ!』というお叱りを多くの読者から頂戴してしまった。まったくの話、お恥ずかし…

師弟は三世

先々週の週ベ5.20号で「師弟は三世」の「三世」に「さんせい」とルビ(ふりがな)がふられててあらあらと思ったら(「三世」はもちろん「さんせい」とも読むが、それは「ルパン三世」〈山田康雄さん、納谷悟朗さんの御冥福をお祈りします〉とか「父・子・孫…

侍ジャパン

ラグビーファンなので、日本代表チームを、指揮官の名を冠して宿沢ジャパンとか平尾ジャパンとか称するのに抵抗はない。 フェアリージャパンやマーメイドジャパンもかわいらしくて好いと思う。 でも、なでしこジャパン、さくらジャパンとなると、たおやかな…

出版はソーシャルメディア革命を生き延びるか?

何箇月か前に観たBBCの番組「Can TV Journalism Survive the Social Media Revolution?」でベテラン記者が「Second with the news and right rather than first and wrong.」と語ったのを憶えています。意訳すれば、誤ったスクープより正しい後追い報道のほ…

あなたにもできる政治家演説

衆議院選挙公示前の朝、駅前に近づくと、TVで聞き慣れた口調。いやいや自民党総裁が朝っぱらから住宅地で辻立ちするわけないとよく聴くと、共産党区議でした。政治的立場は対極にあるのに、なんで喋り方はおんなじなんだろーか、と、暫時黙考。電車に乗るこ…

斎藤佑樹「50年ぶりの開幕戦プロ初完投」

このところ月の最終週に戯れ話というパターンでしたが、今月は順序を入れ替え、最終週に通常の内容とします。 というのは、今週の週ベで、個人的にみすごせない見出しがあったんですよ。「初夏の記録大特集」の、巻頭4C*頁を除くと特集の最初にくる「2012『…

グローリー・シーズン

イーガンの『プランク・ダイヴ』を読んだあと、『ひとりっ子』をみつけだそうと、3月11日に本棚から雪崩をうった文庫本の山をかきわけたものの発見できず(なんと買ってなかった……)。SFだけでもふたたび本棚に収納できたのはよかったが(冒険小説とミステリ…

最古の銀河

webで調べものをしていて、とある民放TV局アナウンサーの7年ほど前のblogがひっかかりました。 モーニングワイドショーの新聞記事を紹介するコーナーで使うのか、最古の銀河発見の記事の話題で、ワイドショーのプロデューサーが「意味がわかんねえよ。埴輪じ…

profession

先日、ある野球週刊誌に下記の誤変換がありました。 「家族を仙台から非難させた選手」 この雑誌、誤植には定評があり、いつもなら笑ってすませるところです。しかしこれにはひっかかりました。 「非難」はネガティブなニュアンスの言葉です。被災地から家族…