許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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2013-01-01から1年間の記事一覧

緊迫さ

接尾語「さ」は、「1 形容詞・形容動詞の語幹、一部の助動詞の語幹に準じるものに付いて名詞をつくり、…の状態であること、…の程度であること、…の性質であることの意を表す」(Yahoo!辞書:大辞泉)ものです。たとえば、形容詞「よい」の語幹「よ」につけ…

ないです

断定の助動詞「だ」「です」は、体言(「自立語で活用がなく、主語となりうる語。名詞・代名詞の総称〈後略〉」〈新潮国語辞典新装改訂版〉)または助詞に接続するとされてきました。 つまり、形容詞「美しい」は活用があるため用言なので、「です」を接続し…

侍ジャパン

ラグビーファンなので、日本代表チームを、指揮官の名を冠して宿沢ジャパンとか平尾ジャパンとか称するのに抵抗はない。 フェアリージャパンやマーメイドジャパンもかわいらしくて好いと思う。 でも、なでしこジャパン、さくらジャパンとなると、たおやかな…

望む/臨む

「海○ノゾむ別荘」 ○に入る助詞と「ノゾむ」の漢字の組合せを答えよ。 このような問題は、アナログ時代には中学生向けでしたが、手書きでなく入力が文章を書く主な手段となった現代では、変換ミスが見逃されたまま出版されてしまうものもみかけます。 「望む…

逆手(ぎゃくて/さかて)にとる

「相手の攻めを逆手にとって反撃した」――この「逆手」の読み方はなんでしょうか。 昭和51年第一刷発行の『広辞苑第二版補訂版』では「ぎゃくて 1 柔道で、相手の関節を不自然に曲げいためること。ぎゃく。2 相手の攻撃の手段を逆用して、自分の攻め手とする…

なるほどですね

ことばはいきものといわれます。日本語における「ビジネス敬語」も、数千万人が日々刻々使うのですから、変わってゆくのは自然なことかもしれません。 ただし敬語を用いる目的は、他人への敬意を表すことです。敬意を向けた相手が「敬意をもって遇された」と…

「」『』“”〝〟

引用符について、「現代仮名遣い」や「送り仮名の付け方」のような国の指針はありません。とはいえ広く認められた使い方はあって、主なものは下記のとおり。 「」 ・引用した発言や文章の前後を囲む 例:加藤哲郎は「相手も強いし」といっただけだ。 ・記事…

体形/体型

「形」と「型」は、どちらも「ケイ」「かた」と読む(「形」は「かたち」とも読みますが)ため、混同してしまいがちです。 しかし「形」は「イ 外形 ロ すがた」(三省堂漢和辞典第二版)であり、「型」は「イ いがた。鋳型」(同)です。「形」はformで「型…

存亡の危機

情報化社会でいわゆる「日本語の乱れ」に対する関心も広まり、いわば「ポピュラーな誤用」がwebなどですぐみつかります。 「気が置けない」「敷居が高い」「情けは人のためならず」「名前負け」「役不足」などの意味を誤って用いる誤用のほか、「押しも押さ…

ずつ/づつ

「一人宛」「少し宛」などの「宛」のかな表記は「ずつ」「づつ」のどちらでしょうか。 昭和61年内閣告示「現代仮名遣い」によると、本則は「ずつ」で、「づつ」も許容されます。 つまり、宿題や試験、応募書類、ビジネス文書などでは「ずつ」を使うほうが無…