許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

「」『』“”〝〟

引用符について、「現代仮名遣い」や「送り仮名の付け方」のような国の指針はありません。とはいえ広く認められた使い方はあって、主なものは下記のとおり。


「」
・引用した発言や文章の前後を囲む
 例:加藤哲郎は「相手も強いし」といっただけだ。
・記事名、論文名、短篇集のなかの一篇の題名、アルバムのなかの曲名などの前後を囲む
 例:『週刊ベースボール』の長寿連載「記録の手帳」
・強調したり言外の意味を含ませたりすることばの前後を囲む
 例:いわゆる「左対左」は絶対ではない。
・名称をくくってめだたせる場合に用いる
 例:「現代仮名遣い」や「送り仮名の付け方」のような国の指針
・小説や戯曲などで登場人物のせりふの前後を囲む


『』
・引用が入れ子になった場合に用いる
 例:「でも『相手も強いし』の相手ってロッテのことだろう」と反論された。
・雑誌名、書籍名、アルバム名などの前後を囲む
 例:『週刊ベースボール』の長寿連載「記録の手帳」


“”〝〟は、「」『』よりさらに「決まった用法」がなく、それだけに濫用のきらいがあります。ただ一般的には、横組では“”を、縦組では〝〟を用いるとされるので、“”を縦組に、〝〟を横組に使うのは避けたほうがよろしい(ハウスルールでもあれば別ですが)。



なにをいいたいかってーとですね、昨今、引用符の使い方がてんでんばらばらなのはどうにかならんか、と。確たる方針があっての使い分けならかまわんが、気の向くままに使ってるとしか思えないのもよくあってな……。せめてプロが制作する書籍や雑誌では、一冊のなかで用法を統一してほしいもんです。


と感じたのはまた週ベだったわけですが。発売は去年だけどいちお新年号という節目である1.7&14号の菅野インタ。外部原稿でもないし、独特な引用符の使い方をスルーするのはいかがなものか。
あと、「カギを握るのは〈中略〉獲得できるかどうかにかかっている」って、「懸る」よりも「係り受け」を勉強し直してください(「打線では〈中略〉1年間固定できる」は係り受けの問題であり助詞の問題であり。「重圧の少ない場面で徐々に日本の投手に慣れていく環境を作れれば、阪神打線が機能していることを示す良い指標になる」はその前に文章力の問題か)、とあきれてすぐ、「一枚物足りない」だの「過渡な期待」だの。あと(跡)は継ぐのよ〜埋めるのは穴よ〜とか、新年早々我が振り直そうと気がひきしまりました。
しかし、14日の大雪で16日の発売が19日にずれこむってのは対処が遅かないか、つーか、そのお詫び文の「雪害の影響により」は「大雪の影響により」だよなぁ。