許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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コピー&ペースト

この1年(1月から12月まで)巷間の話題に上ってきた「STAP細胞」は、「なかった」との結論に至ったようですね。じっくりおっかけてたわけではまったくなくてTVニュース等で見聞きした程度ながら、理研がもちあげネイチャーが認めた研究が捏造と判定されたことに、門外漢としては驚いております。
そうなのか、研究者の世界にまでコピペが蔓延してるのか。
何年か前に読書感想文コピペ元ネタサイトが話題になって、夏休みは読書感想文なんか書くよりもっと有意義に使ってほしいってのがサイト作成の動機だったと記憶してますが、読書感想文てのは実は有意義で、論理的な文章の入門篇だと思うのね。本を読んで理解して、それを基に自分なりの感想をもち、文章を筋道の通るように組み立てる。そんな訓練がこどものうちにできてないと、大学生になってもコピペでないとレポートが書けなくなってしまう。
研究者になってもコピペでないと論文が書けず、ライターになってもコピペでないと原稿が書けない……。
もちろんすべてを0から創造することはできないのだけど、多様な情報を読みこんで咀嚼し、身につけた知識を基礎に独自の発想で論を立て、持論を補強するために参考文献を引用するのと、ぐぐってヒットしたサイトのうち上位に表示されたいくつかからコピペした文章をつぎあわせるのとは、質が異なる。
持ち歩ける機械に図書館の蔵書が詰まってる時代、webは情報蒐集の手段として大変有用とはいえ、情報をコピーすることと理解することは同じじゃない。コピーした情報を並べるだけでは論文にも原稿にもならないのでして。
細胞を刺戟するだけで幹細胞ができたらスゴイ!て発想を、破綻のない理論に構築し、他の研究者が再現可能な実験手法を確立して検証する。それにはやっぱり、論理的思考ってのが不可欠でしょう。論理的に考えてさえいれば、マスコミ受けのよさそうな若手研究者を宣伝する前に、研究者としての資質をチェックしてたはずだがな、と、研究組織に注ぎこまれた税金を負担する側は訝しむ。
論理的思考を育むため、コピペしないで文章を書く練習をおすすめします。



2013年の12月31日23時59分にリセットしたカウンターは、2014年の12月31日23時59分には213,032件でした。御高覧を賜りありがとうございます。2015年は更新頻度を増やす(少なくとも2014年よりは!)所存ですので、また覗いていただければ幸いです。
新年がよい年となりますよう。