許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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ダントツの最下位

俗語ではあるものの、「ダントツ(断トツ、だんトツとも表記)」はごくふつうに使われることばです。長年使われてきたため古くさい印象すらあります。
長年のあいだに語源が忘れられてしまったのか、近年では誤用もめだちます。「ダントツの最下位」などです。
「ダントツ」はもともと「断然トップ」の略で、「断然」とは「他とかけ離れて違うさま」(新潮国語辞典新装改訂版)、「top」は「最高位」(プログレッシブ英和・和英中辞典)です。英語で最下位は「last place」や「tail ender」などであり、もちろん「top」とは矛盾します。
慣用語ですら意味が変転してゆくのですから、ことばはまったく「いきもの」ですね。



附記。本日のネタはMLBの現地4月17日付順位表を見ていて思いついたのですが、HOUアストロズには、NYメッツ、SEAマリナーズと勝率.313の仲間がいるうえ、下には勝率.286のBOSレッドソックスがいるじゃないの〜。まあよかった(よくない!)。