許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

パーセント/ポイント(パーセンテージポイント、パーセントポイント)

パーセントとはご存じのとおり「百分の幾つに当るかを示す語。百分率〈後略〉」(広辞苑第二版補訂版)です。
さて、「当社製品の市場シェアが前年度の20パーセントに比べて10パーセント増えた」というとき、今年度の市場シェアは何パーセントでしょうか。
A 20+10=30パーセント
B 20×1.1=22パーセント
正しくはBの「22パーセント」です。パーセントは割合を示すことば。前年度に比べて10パーセント、つまり1割増えたのですから、20に1.1(1+0.1)を掛けて22パーセントとなります。


では、20パーセントが30パーセントに増えたことを「10」という数値で表すには?
その場合は「ポイント」を用います。
ポイントとはパーセンテージポイント(パーセントポイント)の略で「8 百分率で表された二つ以上の数値の差をいう語。例えば、失業率2.1パーセントが数年後に2.4パーセントになった場合、0.3ポイント上がったという」(Yahoo!辞書:大辞泉)の意です。20パーセントが30パーセントになったなら、「20パーセントに比べて10ポイント増えた」というわけです。


「10パーセント増えた」と「10ポイント増えた」の違いを理解して、誤解を極力避けましょう。