許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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イタリア語名前を現地発音に近いカタカナで表記してみる

RWC2007:第6回ラグビーW杯開催記念番外篇「W杯出場国の主要言語のカナ表記に挑戦」その3、イタリア語。ほんとうは北部と南部など地方によって違うのですが、大掴みでまとめます。
イタリア語も母音は‘a’‘e’‘i’‘o’‘u’の五つです。カナ表記において気をつけるのは、アクセントのない‘ia’(たとえば‘nia’=「ニャ」)くらいでしょうか。
子音もほとんどローマ字読みでだいじょうぶです。ただし、留意したいのが‘c’。‘che’が「ケ」で‘ce’が「チェ」なのです。カ行は‘ca’‘chi’‘cu’‘che’‘co’、チャ行は‘cha’‘ci’‘chu’‘ce’‘cho’です。
同じように、ガ行は‘ga’‘ghi’‘gu’‘ghe’‘go’、ジャ行は‘gia’‘gi’‘giu’‘ge’‘gio’になります。‘Baggio’は「バッジョ」。
また、‘sca’‘sco’‘scu’は「スカ」「スコ」「スク」で、‘sce’‘sci’は「シェ」「シ」です。‘si’は「スィ」と表したほうが近いようです。
‘gli’は「リ」(実際には「リ」と「ギ」のあいだくらいの音)。‘glia’‘glie’‘glio’‘gliu’は「リャ」「リェ」「リョ」「リュ」ですが、‘gla’‘gle’‘glo’‘glu’は「グラ」「グレ」「グロ」「グル」です。
‘gn’はニャ行。
‘h’は発音しません。
‘j’はヤ行。
‘que’‘qui’は「クエ」「クイ」です。スペイン語やフランス語と異なり「ケ」や「キ」にはなりません。
‘s’は、二つの母音のあいだに入る場合、あとに有声子音‘b’‘d’‘g’‘l’‘m’‘n’‘r’‘v’がくる場合にザ行になります。……と教科書では説明しますが、イタリア人は「ス」と「ズ」の区別をあまり気にしないという話です……。
‘ti’‘tu’は「ティ」「トゥ」、‘ta’‘te’‘to’は「タ」「テ」「ト」。
‘z’は、基本はザ行ですが、‘l’‘n’‘r’と母音に挟まれた場合(‘Firenze’=「フィレンツェ」、‘forza’=「フォルツァ」など)や母音とアクセントのない二重・三重母音の先頭の‘i’に挟まれた場合(‘Venezia’=「ヴェネーツィア」、‘grazie’=「グラーツィエ」など)、‘zz’では「ツ」になることが多いようです。しかしこれも揺れが大きいとか。なお、今大会のイタリアスコッドには‘Pez’がいますが、彼はアルヘンティーナ出身なので「ペス」と表記してよいでしょう。
同じ子音が二つ連続する場合は日本語の促音便(「ッ」)のように発音します。ただし‘mm’‘nn’はそれぞれ、たとえばうしろに‘a’がくれば「ンマ」「ンナ」になります。
アクセントはたいていうしろから二番めの母音にあり、それが母音で終わる音節なら長めに、子音で終わる音節なら鋭く発音されます。「たいてい」ということは最後やうしろから三番めや四番めの母音にアクセントがくる単語もあるのですが、これはアクセント符号を省略した英語表記では判りません。うーん、アクセントの話は次回からは止そうかな。