許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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フランス語名前を現地発音に近いカタカナで表記してみる

RWC2007:第6回ラグビーW杯開催記念番外篇「W杯出場国の主要言語のカナ表記に挑戦」その4、フランス語。英語に較べればずっと規則性のある言語なのですが、その規則が細かい。じっくり書き出したら本一冊になってしまうので、ごく基本的なところだけを。
母音は、‘a’‘i’‘o’は「ア」「イ」「オ」ですが、ほかは注意が必要です。
‘e’は、次に子音がくれば「エ」、‘e’で終わる音節なら「ウ」。ただしアクセントがあればかならず「エ」。2音節以上の単語の語末が‘es’のときは読まない。
‘u’は「ユ」。
‘ai’‘ei’は「エ」、‘au’‘eau’は「オ」、‘eu’‘oeu’‘ou’は「ウ」、‘oi’は「オワ」。
‘y’は母音の扱いで「イ」と読みますが、母音の次にきた場合は‘ii’と看做し、たとえば‘-oy-’だと‘-oii-’になるので‘oi’=「オワ」+‘i’=「イ」で「オワイ」になります。
‘il’‘ill’は「イユ」。スペイン語になじんでいるとつい「イル」「イユ」と読み分けてしまうのですが、どちらも「イユ」です。フランス語では、同じ子音が重なった場合、最初の子音は読みません。
‘an’‘am’‘en’‘em’‘ain’‘aim’‘ein’‘eim’‘in’‘im’‘yn’‘ym’‘un’‘um’は「アン」、‘on’‘om’は「オン」。
子音で最も重要なことは、「語末の子音は‘n’‘q’以外は読まない」です。ただし、‘c’‘f’‘l’は発音することが多く、‘r’は発音されることがあります。語末の‘er’は原則として「エ」(‘r’を読まない)です。‘s’も読む場合と読まない場合があり、同じフランス人でも個人差があるようなので泣かされます。‘Roland Garros’の‘s’は読むようですね。
‘b’は次に‘c’‘s’‘t’がくると「プ」、あとは「ブ」。
‘ca’‘co’‘cu’は「カ」「コ」「キュ」(‘cai’なら「ケ」、‘cou’なら「ク」です)、‘ce’‘ci’‘cy’は「セ」(アクセントがなければ「ス」)「スィ」「スィ」。ただし、英語表記では省略されることが多いのですが、‘c’の下にセディーユという逆さになった鉤のような符号が付くと(「フランソワーズ」の「ソ」の部分などで見たことがあるのでは?)次に‘a’‘o’‘u’がきてもサ行になります。なお、‘c’の次に子音がくると「ク」と読みます。
‘ch’はシャ行。ただし、次に子音がくると「ク」。
‘gn’はニャ行。
‘ga’‘go’‘gu’は「ガ」「ゴ」「ギュ」(‘gai’なら「ゲ」、‘gou’なら「グ」です)、‘ge’‘gi’‘gy’は「ジェ」(アクセントがなければ「ジュ」)「ジ」「ジ」。‘g’の次に子音がくると「グ」。
‘gu’は、次に母音がくると‘g’となり‘u’は発音しません。‘gue’は「ゲ」(アクセントがなければ「グ」)、‘gui’‘guy’は「ギ」です。
‘qu’は、次に母音がくると‘q’となり‘u’は発音しません。‘que’は「ケ」(アクセントがなければ「ク」)、‘qui’は「キ」です。
‘h’は読まない。
‘s’は母音と母音に挟まれたときだけ「ズ」、あとは「ス」。‘ss’はいつでも「ス」。
‘ti’‘tu’は「ティ」「トゥ」、‘ta’‘te’‘to’は「タ」「テ」「ト」。
‘x’は「クス」。
‘tion’は「スィオン」。‘stion’のみ「スティオン」。フランス語では‘h’は読みませんので、‘Thion’も「スィオン」です。
すべてが以上の規則に従うわけではなく、例外はかなりあります。たとえば‘fils’(息子)は「フィス」と読むので、‘Monfils’は「モンフィス」なんですね。難しい……。