許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

英語名前を現地発音に近いカタカナで表記してみる

RWC2007:第6回ラグビーW杯開幕まで1週間を切りました。そこで本日より番外篇として、W杯出場国の主要言語(日本語を除く)のカナ表記に挑戦いたします。
しかし、原則として一文字一音節(母音1か子音1+母音1)で高低アクセントで長音(「ー」)の意識のある日本語で、原則として複数文字一音節で強弱アクセントで長音符号のない言語を表記するのは、端から難しい話。さらに、たとえば‘sevevs’は「セヴンズ」なのか「セヴンス」なのかといっても、BBCの標準発音や辞書の発音記号では「ズ」だが実際には「ス」発音が多いという話だったりします(ちなみにアクセントは「セ」にあります)。そんなわけで、今回の番外篇はあくまで素人のチャレンジとしてご覧ください。
なお、英語圏以外の選手名であっても日本でふつうに目にするのは英語表記だと思われますので、英語アルファベット-カタカナの対応で説明し、言語独特の記号(ドイツ語のウムラウトチェコ語のチャールカのような)については割愛します。

初回は英語。イングランドアイルランドウェールズスコットランドの英国四協会を始めニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アメリカ合衆国、と半数近いチームをかたづけられるので(地域ごとの差異に触れる余裕がございませんが……)。
しかし英語の発音法則を簡潔に説明するのは難しい。フランス語なら‘ou’=「ウー」と一言で済むけれど、英語だと‘ought’なら「オー」・‘about’なら「アウ」・‘could’なら「ウ」・‘you’なら「ウー」と綴りによってまるで違うカナ表記になります。
それでも、‘-all’-「オール」・‘-ate’-「エイト」・‘-ea’〈‘-ear’を除く〉-「イー」など、この綴りならこの発音、という規則はほぼ確立しているので(例外はありますが)、英語名前をカナ表記するには、大原則としてローマ字読みは忘れ、英語の教科書や英語の辞書でなるべくたくさん綴り-発音の対応を憶えることでしょう。
と、それで済ませてはあんまりなので、迷ったときの第一歩。
アクセントのある‘a’は「エイ」・‘e’は「イー」・‘i’は「アイ」・‘o’は「オー」.‘u’は「ユー」と読んでみる。
‘Jack’は「ジャック」だし‘Dunning’は「ダニング」だし‘Gregan’の発音は「グレーガン」と「グリーガン」のどちらが近いか英語放送で確かめようにも実況アナウンサーの出身国や個人差により違うため、いつも使えるわけではありませんが。
あとは、サイレントの子音(knife、high、hustle、bomb、Grahamの類)は読まないとか、‘x’は「クス/グズ」とは読んでも「キス」とは読まない(‘Huxley’は「ハクスリ」、‘Alexander’は「アリグザンダ」)とか、正しい日本語発音では「エー」となる「エイ」を二重母音で発音するとか(英語話者もけっこう「エー」になるとも聞くけれど)、が注意事項でしょうか。
ちょっと読み違えそうな名前としては、‘Moore’=「モーア」・‘Leonard’=「レナード」・‘Murray’=「マリー」・‘Stephen’=「スティーヴン」・‘Shea’=「シェイ」・‘Buckholz’=「バックホルツ」(ノーヒッターおめでとう)などがあります。
‘Giteau’が「ギタウ」のような変った名前はお手上げですが、それはほかの言語でも同じですね。
ところで、「オーストラリア英語ではイギリス英語の『エイ』が『アイ』」は有名ですが、オーストラリア国歌では「おーすとれいりぁ〜」と歌っているなぁ、‘Australia’は「オーストレイリァ」でいいのかなぁ。