許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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越える/超える

同音異字・同訓異字が多い現代日本語の表記において、漢字の使い分けは重要です。
ただ、「切る/着る」「映す/移す」など意味の違いがわかりやすいものは漢字も使い分けやすいのですが、意味が近いとどの漢字を用いるか迷ってしまいます。「越える/超える」もそのひとつでしょうか。


三省堂漢和辞典第二版によると、「越」には「イ 物の上を通りすぎる ロ 乗りこえる ハ 飛びこす ニ 渡る」など、「超」には「イ 飛びこえる ロ まさる。すぐれる」などの意味があります。
goo辞書:デジタル大辞泉は「1 (越える)物の上・間・境界などを通り過ぎて、向こうへ行く。〈中略〉2 (越える)区切りとなるある日時が過ぎる。時を経過する。〈中略〉3 ある基準・数量を上回る。超過する。〈中略〉5 他のものよりすぐれる。ぬきんでる〈後略〉」と説明しており、このうち「3」と「5」は「超える」と表記するのが一般的です(「越える」でも誤りではありません)。


「越える」は場所や時を通り過ぎる。「またいで」こえる。
「超える」は基準を上回る。「高みへ」こえる。


こんなイメージで使い分けるとよいかもしれませんね。