許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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小学生以下は無料

微積分がわからなくとも日常生活で困ることはまずないものの、数学を学ぶ必要がないとはいえません。数学は論理的思考の基礎ですし、加減乗除程度は理解していなければ日常生活にも不自由します。等号・不等号もそうした常識の範囲でしょう。「小学生以下は無料」と説明があったとき、「以下」の定義が理解できなければ、小学生は無料なのかどうかわかりません。
しかし、校正の仕事をしていると、未満・以下・以上・超に関する誤りにはよくお目にかかります。これらのとりちがえは重大なミスとなる場合もあるので注意を要します。
確認しておきましょう。


6歳未満といえば0歳から5歳まで。6歳を含みません。
6歳以下なら0歳から6歳まで。6歳を含みます。
6歳以上は6歳を含みます(6歳以上10歳以下なら6歳から10歳まで)。
6歳超は6歳を含みません(6歳を超え10歳未満なら7歳から9歳まで)。


つまり、「小学生以下」とは、小学生を含み、新生児から小学六年生までを指します。


数学用語にかぎらず、正確なことばの理解はけっして衒学的なことではありません。意思の疎通を明確に行うためには、会話に参加する全員がことばを正しく認識する必要があります。