許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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1年前に較べ進化した

【進化】1 生物が次第に異種のものに変化し、さらにもとの種との差異を増大して異属・異目などを生じていくこと。<後略>/【進歩】<前略>2 物事の漸次に発達すること。物事が次第によい方、また望ましい方に進み行くこと。(広辞苑第二版補訂版)
進化と進歩の使い分けの基準としていわれるのが、「人類は進化し個人は進歩する」というものです。種としてのヒトは原人などから進化し、さらに何万年も後には別の種に進化するでしょう。いっぽう個々の人類は、長足の進歩を遂げたとしてもやはりヒトですから、進化することはできません。
しかし、この原則も昨今は崩れています。近年「進化したフォルム」といった用法が広告のコピーに多用されるようになり、現在では個人の進歩を「進化」と表現するのは珍しいことではありません。
従来の「進歩」を表す「進化」は、もう許容されているようです。