許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

ダース・ヴェイダーとルーク(4才)

J.J.エイブラムズの新しいスタートレック、第1作は巧いエンタテインメントと感心したし美術・衣裳やキャストはとてもよかったのだが、時が経つにつれ、やっぱ宇宙大作戦ファンとしてあの設定は許容範囲を超えてるよな〜って不満が高まってきて(何がそんなに気に喰わんのかお知りになりたくて映画のネタバレOK<ここ重要! の方は、趣味blog「スター・トレック」頁まんなかへんのスポックに関する白文字部分をドラッグしてください)、イントゥダークネスは観にいくかどうか決めかねていた。ベネディクト・カンバーバッチが出るってんで行くしかないじゃん、て結論にはなったんだけども。
エイリアスが大好きでJ.J.エイブラムズも好きだと決めこんでいたものの、LOSTが傑作になった理由はJ.J.エイブラムズの関与が少なかったからな気がするし、FRINGE、アルカトラズ等々観てきて、そーかわたしこのひととセンスが合わないんだ、と判ってきたところ。
で、SW EP VIIも、ど〜ぉしよ〜ぉかなぁあ〜、なんである。
EP I〜IIIは、脚本は「……」でもルーカスだから映画館で観たわけで。視覚効果だけで入場券代の元はとれたし。「スター・トレック」の視覚効果は、もちろん悪くはなかったけど、「視覚効果だけで入場券代の元はとれた」まではいかないんだよな。
R2D2への愛とかもなさそーなJ.J.エイブラムズスターウォーズをどう料理するのか、不安のほうが勝ってます(「スター・トレック」の二番煎じで例の理由で逃げるのはだめよ)。
(附記。「R2D2への愛とかもなさそーな」は筆が滑りました。J.J.エイブラムズはSWファンでしたね。でも、イントゥダークネスを観た今、不安は募るばかりでございます)


閑話休題(「休」どころか本題に入ってもいませんが。なんて冗長なマエフリだ)。


スターウォーズつながり」で絵本『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』。内容についての感想は後述。本題は題名です。
「才」は「一 たち。もちまえ。生まれつき。性質 二 ザエ。働き。知能。能力。わざ 三 働きのある人。賢人。知者〈後略〉」(三省堂漢和辞典第二版)であり、「歳の俗用の略字」(同)に用いるのは、出版物としてはよろしくないとされます。「俗用」の「略字」ですからね(てことで、公式の書類等では避けましょう)。
こども向け絵本を装ってるので、「(4歳)」だと画数が多すぎて、たしかに本のコンセプトにそぐわない。
だったら「(4さい)」にすればよいのです。
四歳児が読めるのはせいぜいひらがなかカタカナ。「才」でも「歳」でも「こども向け絵本」のイメージじゃない。てゆーか、イマドキ年齢に「才」を使うのはご年輩の方って印象が。
漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢数字、算用数字。表現豊かな日本語で本を出すんだから、せっかくの豊穣を無視するのはもったいない。


蛇足、内容について。
つまらなくはないし、絵もまずまずかわいいけど、「すごくおもしろーい!」とはいえない……(続篇の『ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア』のほうがもーちょっとおもしろい)。
お近くの図書館にあったりしたら、ネタとして読んどくのはお勧めします。おもしろいことはおもしろいしかわいいことはかわいいので。
世界中でいっぱい売れたと思われますが、ルーカスフィルムに公的なお許しをもらった、てのが最大の勝因だろうなぁ。