許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

*当blogより引用する際は出典を明記してください。

おあきのせき

珍しく週イチ更新が続いたので調子にのって、月の最終週はblogの本筋からやや離れて書いてみようかと。
今回は雑記です。


先日のランチタイム、急いでいたため定食屋と思しき店に飛びこむ。と、いきなり店員が――
「よろこんでいらっしゃいませ〜」
……「喜んでいろ」の尊敬語?
せめて「ませ」をとって、昭和のTVドラマで黒いドレスのマダムが「せいぜい喜んでいらっしゃい」と高笑い、ならあり得るけど。
まあ居酒屋チェーンをほとんど利用しないわたしも読売巨人軍のラミレス外野手のパフォーマンスのネタ元になった居酒屋の知識はあったので、そこまでは「この店はこれがきまりなのよね」とすぐに理解できました。が、続く言葉が。
本日のblogタイトルでネタバレしてますが、「おあきのせきどうぞ」。意味不明。
ぱっと連想した早口言葉の「おあややおやにおあやまりなさい(お綾や親にお謝りなさい)」はまったく関係ないし。席に着きながら首をひねってようやく判明。
「空いた席へ座れ」の意ですね。
尊敬語といえば機械的に「れる/られる」をつけて済ませてしまうのも美しくないけれど、「お」さえつければ敬語になると思われるのはもっと困る。「席」が「お空きになる」ではテーブルといすを敬ってしまいますよ。客に対して尊敬語を使うなら「(お客様が)お好きな席におかけください」。
敬語は敬う気持を表すもの。尊敬の対象をきちんと認識して使わないととんでもないことになりますね。