許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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第一商事株式会社御中 高橋洋子様

「御中」は「個人あてでない郵便物を出す時、そのあて名の下に添える語」(広辞苑第二版補訂版)であり、宛先の団体に所属する人なら誰でもよいので読んで処理をしてほしい場合に使う脇付です。しかし昨今では、「第一商事株式会社御中 高橋洋子様」といった宛名が見られます。
これは、宛先の個人だけでなく団体にも敬意を表すことが必要だと感じ、社名などに付ける敬称は御中だからと誤ってしまったものでしょうか。人間関係の摩擦への恐れなどと社会学的考察もできるかもしれませんが、「第一商事株式会社のどなたか 高橋洋子様」では意味が通りません。手紙の表書であっても矛盾のない言葉を使いたいものです。