許容される日本語

日々変化する日本語。すでに許容されたのか、まだ誤用と扱うべきなのか。徒然なるままに考えます。

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7時〜9時までは全面禁煙です

「〜」は本来、算術記号のディファレンスであり、「○から×まで」という意味はありません。しかし現在では、箇条書きなどで「−」の代りに「○から×まで」の意味で使用されることがすっかり定着しています。
さらに最近めだつのが、「〜」を「から/まで」でなく「から」と読み替え、箇条書きではない文章のなかで使うことです。例えば「7時〜9時までは全面禁煙です」といったものです。これは公共の場や行政の文書でふつうに見られ、雑誌や書籍にも珍しくなくなってきました。
従来、とくに縦書きの日本語では、句読点や括弧などの記述符号以外にはあまり記号を用いませんでした。「km」「℃」なども「キロメートル」「度」と記すことが望ましいと感じる人もまだ多いでしょう。しかも、「7時〜9時は」であれば文字数を削る利点はありますが、「7時〜9時までは」と「7時から9時までは」では1字分の違いだけです。
実用的にも美的にも積極的に使用する理由のみあたらない「〜○まで」、このまま標準となってゆくのでしょうか。